02 / About Profile Story
HIROKI KAWAKAMI
川上 大樹

埼玉県富士見市を拠点に、23校舎を展開する EIMEI教育グループの元代表。
塾経営アドバイザー、著者、NPO法人「教育援護会」代表。

川上大樹 / Hiroki Kawakami

誰にも相談せずに、
あきらめようとしていた過去が、
自分にもある。

でも、地域の人との
ふとした会話で、
道は開けた。

その時、「人生どうにかなるんだ」
思った。

— Hiroki Kawakami
— Chapter 01

母子家庭で、貧困と隣り合わせの少年時代

母子家庭で育った。常に貧困と隣り合わせだった青少年時代。 学校では先生をいつも困らせる、俗に言う不良だった。

ただ、中学校の部活で出会ったハンドボールに、のめり込んだ。 高校は強豪校に進みたい——そう考えるようになった。 しかし、これまでまともに勉強したことはない。 学校の先生にも「無理だ」と言われていた。

そんな折、友人に誘われて、ある学習塾の無料体験に参加する。 それが、後に自分が代表を務めることになるエイメイ学院だった。

— Chapter 02

勉強したいか?
ならお金は気にするな」

最初は「無料期間だけでも」という軽い気持ちだった。 ところが、まず授業がとてつもなく面白い。 そして何より、先生たちが自分を肯定してくれた

志望校を聞かれて、自嘲気味にこう答えた。

「○○高校です。
まあ、無理なんですけどね」

すると先生は、真剣な眼差しでこう返してきた。

「本当に行きたい気持ちがあるのなら、
頑張ったほうが楽しいぜ」

母親に頼み込んで、継続して通塾させてもらった。成績もグングン上昇した。

ところがあるとき、手違いで月謝が長らく未払いになっていたことが発覚する。 母親と一緒に謝罪に行き、分割で支払う旨と退塾の意思を告げた。 しかし塾長は、ただ一言こう聞いてきた。

「勉強したいか?」

「したいです」と答えた自分に、塾長はこう言った。

「じゃあ、お金は気にしないでいい。
塾にいろ

こんな大人がいるのか——衝撃だった。

— Chapter 03

大学進学の壁、そして地域の人との出会い。

高校進学後、比較的学費の安価な国立大学を目指し、必死で勉強した。 そして合格。

しかし、合格後に届いた学費納入通知に記載されていた額は、 とても支払える額ではなかった。

「いつも働きづめの母には当然言えず、
心が折れそうでした」

そんな声無き声を引き出したのは、地域の方とのふとした会話だった。 そこからさまざまな相談先や制度につながり、奨学金で進学が叶った。 大学では授業料免除を受けることができ、奨学金は実家のローン返済に充てた。

いい意味で「人生どうにかなるんだ」
思った。

この経験が、今の活動の原点になっている。

— Chapter 04

教員を目指したが、違和感を覚えた教育実習。

「エイメイの先生たちみたいな大人が学校にいたら、学校はすごく良くなる」—— そう思って、教育学部に進学した。自分も教員になる夢を抱いた。

ところが、教育実習中に大きな違和感を覚える。 自らの過去も影響してか、問題を抱える生徒の扱いがうまかった。 彼らを教室に入れて授業をしたら、先生から「迷惑だからやめてくれ」と言われてしまった。

これが学校の現実かと思うと、
一生かけて自分がいるべき場所ではないなと。

そして、恩ある"母校"——エイメイ学院の門を叩いた。

— Chapter 05

1校舎から、23校舎へ。

入社時、エイメイ学院は1校舎のみの小さな塾だった。 塾長はかなり個性的な人で、入社から数年後、 「やりたいことがあるから」と、塾の運営を自分に任せたいと言い出した。

まだ大学を出て数年。「無理ですよ!」と慌てる自分に、 塾長は「いや、お前はできるよ」と取り合ってもらえなかった。

完全に手探りの中、法人化や2校舎目の展開を成し遂げていった。 七転八倒を続けながら、現在は23校舎・1,000名超の生徒が通うグループに。 代表取締役社長を経て、現在は元代表として、後進の経営者たちと並走している。

— Chapter 06

恩送り』という、活動の軸。

塾を通して、子どもたちには貧困・不登校・いじめなど、 さまざまな問題があることが見えてきた。 入試で合格すれば幸せなわけではないことも、分かってきた。

「貧困なんかで夢をあきらめてほしくない」—— その想いで、塾内に奨学金制度などを創設した。 さらに、より社会貢献的な活動を行うため、NPO法人「教育援護会」を設立。

富士見市から委託された教育相談「若者のための学び直し相談」の相談員も、 かれこれ5年以上続けている。貧困だけでなく、いじめや不登校に悩む若者の相談を受け続けている。

私は確かに貧しかったが、
人や地域には恵まれていました。

人や地域をつくるのは、教育や子育て。
私が受けた恩を今困っている人へとつなぐ
恩送り』の気持ちで活動しています。

過去の自分と同じように、問題を抱えるケースは、 自ら視野を狭めている傾向がある。 相談者にさまざまな選択肢を提示し、伴走することで—— 「人生どうにかなるんだ、どうにかするんだ」 という気持ちを育みたい。

それが、活動の根っこにある思いだ。

— Now / 現在の活動

23校舎、その先へ。

23
Schools
7
Brands
1,000+
Students
5yrs
学び直し相談
10yrs
NPO活動
1
Book
1
特許出願中
Ideas
— Roles / 現在の役職・活動

複数の顔で、
教育に関わり続ける。

— Next / 次は何を読む?

川上の思想と言葉を、
もう少し深く知る。